遺言とは

遺言は、相続手続きの際のトラブルを防ぐことができる有効な手段の一つとして、今、大きく注目を浴びています。 法定相続分よりも遺言による相続分が優先されますので、自分の財産を誰にどのように相続させるのか、最終的な意思を自由に決めることができます。 行政書士等の専門家の手助けを受けながら遺言書を作成されれば、遺言者の意思を明確にした、法的にも有効な遺言書を残すことができますので、相続争いを防ぐことも相続手続きを容易に進めることも可能になります。 また、付言として、法的に効力のある内容のほかに相続人に向けた様々なメッセージを残すこともできます。 当事務所では、遺言書を作成するに至った経緯や遺産分割の割合の理由、遺された家族へのメッセージなど、遺言者の諸事情を詳細に聞き取り、付言を有効に使うことによって相続手続きの際のトラブルを最小限にとどめる遺言書の案の作成を行います。 なお、法的に効力のある遺言の内容は民法という法律に定められています。

遺言のメインの内容となる、自分の財産の分け方について決めることができます。 自分の財産を相続人の中の誰に、どのような分け方で相続させるのかを法定相続分にとらわれることなく自由に決めることができます。 また、遺言によって相続権のない人や法人にも財産を分けることができます。 これを「遺贈」と言います。

子どもの認知、後見人の指定等、身分にかかわることに関しても決めることができます。 ただし、遺言書にどのような内容でも書けるのかと言えばそうではなく、法的には実現されない内容もあります。 例えば、「臓器を提供したい」、「葬式はこうしたい」といった希望などは附言事項となります。

相続人間で自分のものだと決まっていても、第三者に対して、その相続不動産が自分一人のものだと主張することができません。

遺言は必ず書面にする必要があります。 また、法的に効力が認められるためには、所定の要件に基づいて書かれている必要があります。 所定の要件を欠いている遺言は法的に無効になる場合がありますので、行政書士等の専門家の手助けを得た方が確実です。

遺言書作成のススメ

相続人間の仲が悪いなど遺産分割協議がスムーズに進まない可能性がある場合、また、相続人以外の方に自分の財産を相続させたい場合などには遺言書の作成が不可欠です。 もし遺言がない場合には、法定相続分を基準にして相続人間の遺産分割協議によって遺産の分け方を決めなければならなくなりますから、トラブルを未然に防止するための手段として、また、相続人以外の人に遺贈をしたり、特定の相続人に相続させたくない場合などは、遺言者の意思を伝える手段として、遺言は非常に有効な手段となります。

遺産の相続では、法定相続分よりも遺言による相続分が優先されますので、以下のようなケースがあるときは、遺言書を作成しておくべきです。

子供がいない場合

配偶者に財産をすべて相続させたいときには、その旨の遺言書を作成しておきましょう。 被相続人の祖父母には遺留分がありますが、兄弟姉妹には遺留分はないので、配偶者が全財産を相続することができます。

相続人がいない場合

相続人がいない場合は、相続財産は国庫に帰属します。 自分の財産を社会のために役立てたい場合などは、遺言を残しておきましょう。

相続関係が複雑な場合

再婚していて先妻との間に子供がいる場合など、相続関係が複雑な場合は、遺言を残しておくことが、後々のトラブルを防ぎます。

相続人の中で財産を相続させたくない人がいる場合

相続人から排除するためにはその相続人に著しい非行があるなど相当の理由が必要で、家庭裁判所に申立てをして認められなければなりませんが、遺言の中に相当な理由を明記しておくことは、申し立てを行う際、有力な証拠の一つとなりえます。

当事務所は、遺言書作成の起案に自信をもっております。 遺言書の作成をご検討の方は、是非一度ご相談ください。

遺言の方式

遺言は、民法という法律に定められた方式にしたがって作成されなければならず、必ず文書にしなければなりません。 また、書き方にも厳格な要件があり、それにしたがって作成しないと遺言自体が無効になってしまいます。 遺言者の意思が確実に実行できるよう、遺言書は、行政書士等の専門家のサポートを得ながら作成しましょう。 遺言の方式には、普通方式と緊急事態・隔絶状態での特別方式がありますが、ここでは、一般的な普通方式のうち、自筆証書遺言と公正証書遺言について説明します。

自筆証書遺言と公正証書遺言の比較

自筆証書遺言公正証書遺言
概要本人が自筆で書き、自分で保管する遺言の方式です。公証役場で作成する遺言で、遺言者が口述で内容を伝え、公証人がそれを筆記します。
作成方法本人が「すべて」自筆で書かなければなりません。公証人が公正証書として作成します。
証人・立会人必要ありません。相続人等の利害関係人以外の2人以上の証人の立会が必要です。
作成費用かかりません。公証人に支払う手数料が必要となります。
署名・押印両方必要となります。 押印は、実印、認印、拇印のいずれでも大丈夫です。遺言者・証人・公証人全員の署名・実印の押印が必要となります。
封印不要ですが、封印されるのが一般的です。封印はされません。
保管する人 (自筆証書遺言)遺言者本人が保管しなければなりませんので、紛失の恐れがあります。遺言者または遺言者が委任する第三者が保管しますので、紛失する恐れがありません。
メリット簡単に作成できる、費用がからない、遺言の内容を誰にも知られないといったことがあげられます。形式や内容に不備がない遺言書を作ることができますし、原本は公証役場に保管されますので、紛失や改ざんの恐れもありません。
デメリット決められた方式にしたがっていなかったり、内容に不備がある場合、無効になる可能性があります。 また、死後発見されなかったり、紛失したり、改ざんされるおそれもあります。証人を準備したり、作成のための準備の手続きが必要になります。また、費用がかかります。
死亡後の 家庭裁判所の検認必要です。不要です。

当事務所での遺言書作成業務は、すべて公正証書遺言の作成を念頭に置いています。 証人を準備したり、作成のための準備の手続きはすべて当事務所の方で行います。

遺言書起案・作成支援

当事務所では、公正証書遺言を作成するために、遺言書起案・作成支援を業務として行っております。 公正証書遺言作成の際には、当事務所行政書士と公証人とが関与しますので、法的に正しい要式で遺言書を作成することができ、無効になることはありません。 また、遺言書の原本は公証役場に保管されますので、紛失、改ざんのおそれもありませんし、家庭裁判所の検認の手続きもいらないため、すぐに相続手続きに入ることができます。 ご希望があれば、当事務所行政書士が遺言執行者に就任し、遺言者の意思が確実に実現するよう手続きを行います。

公正証書遺言作成の手順

  • ご相談を受けた後、必要書類を収集し、遺言書の原案を作成します。
  • 公証人との打ち合わせを行い、公正証書遺言を作成する日取りをセッティングします。
  • 当日の証人は、当事務所行政書士が務めます。
  • 公証役場にて、遺言者が公証人の面前で遺言事項を述べます。
  • 公証人が筆記したものを、遺言者、証人に読み聞かせます。
  • 筆記が正確であることを確認し、遺言者、証人が署名・押印をします。
  • 公証人が署名・押印します。

以上で、手続きが終了します。

※ 作成された遺言書の原本は、公証役場で保管されますので、紛失、改ざんのおそれがありません。
※ 遺言者が公証役場に出向けないときは、自宅や病院に公証人に出張してもらって手続きを行うこともできます。

当事務所では、公正証書遺言の作成手続きの一切をサポートしております。 遺言書の起案の作成、必要書類の収集、公証人との打ち合わせ、証人、当日の立会いまで安心して手続きを進めることができますので、遺言書の作成をご検討されている方は、一度ご相談ください。